「ロボットやAIに仕事を奪われる」にいかに備えるか

1.「テクノ失業」は産業革命からの潮流だが

最近、「今後は今ある仕事の大部分がロボットや人工知能に取って代わられる」といった記事をよく見かけるようになった。

ロボットやAIに人間の仕事が奪われる【テクノ失業の恐怖】

このような機械化の進展による失業は、産業革命の頃からあった。私の伯父は旋盤工、私の叔母はタイピストだったが、もはやそのような職業は存在しない。現在でも、多くの事務的作業は政府による規制や雇用維持の施策によって存立している。技術的には数十年前から可能だった電気の自動検針がほとんど実現しなかった(今後スマートメーターで実現)のは検針員の雇用維持のためである。公務員の多くも複雑な事務手続きによって雇用を維持している。そのような規制がなくならないのは、既得権を守ろうとする団体のロビー活動や投票行動のためである。エストニアのような完全電子政府になったら、日本の殆どの公務員,税理士,会計士などが失業するだろう。

2.「テクノ失業」が生み出す社会は退職シニア世代と類似

しかし、今後ロボットやAIの進展による失業は新たな別の雇用をほとんど生まないという点で従来の機械化による失業と根本的に異なるという。

人工知能で技術的失業をした人々の第二の人生は?経済学者からのヒント

この記事によると、従来の労働という概念が根本的に変わり、人々はいかに「やりがいのある活動を見つけて充実した人生を送るか」ということになる。もちろん、どの位の経済的余裕があるかによって出来ることの選択肢は変わってくる。よく考えると、これは現在の退職シニアの置かれた状況とほぼ同じである。違う点は、多くの退職シニアが退職金や年金という経済的基盤があるのに対して、今後訪れる社会での人々の経済的基盤がまだ整備されていないことである。一部の起業家や作家・アーティストなどのみが富裕層になり、それ以外は「ベーシックインカム」で自らの生きがいを追求していくことになるのかもしれない。

いずれにせよ、今後の社会を生き抜く上で大切なことは、組織にぶら下がって言われたことをやっているのではなく、自分が本当にやりたいこと・得意なことを認識し、そのために今何をすべきかを明確にして、主体的にモチベーションを持って活動していくことであろう。